初診日認定の落とし穴【意外な落とし穴シリーズ 第2弾】

初診日認定の落とし穴【意外な落とし穴シリーズ 第2弾】

こんにちは、ごきそ障害年金相談室です。

障害年金の申請を検討される際、避けて通れない重要なハードルのひとつが「初診日」です。

障害年金を受給するためには、障害の原因となった病気やケガで初めて医師の診察を受けた日(初診日)に、どの年金制度に加入していたか(国民年金か、厚生年金か)によって、年金の種類や金額が大きく変わります。

また、初診日の前日時点で、過去に保険料をきちんと納めていたか、または免除されていたかという保険料納付要件も、この初診日を基準に審査されます。

実は、ご自身が認識している初診日が、障害年金上の初診日として認定されるとは限らない、という落とし穴が潜んでいるので要注意です。

今回は、知っておかないと申請の前提が崩れてしまう初診日認定の落とし穴について、糖尿病とその合併症の具体例な事例を交えて分かりやすく解説します。

なぜ?腎臓や眼の専門外来に初めて行った日ではない理由

糖尿病は、自覚症状が乏しいまま進行し、何年も経ってからさまざまな合併症を引き起こす特徴があります。

糖尿病の三大合併症
 ・腎臓の機能が低下する「糖尿病性腎症」
 ・視力が低下し失明に至る恐れもある「糖尿病性網膜症」
 ・手足のしびれや痛みが現れる「糖尿病性神経障害」

これらを発症した際、多くの方は人工透析を開始した日や、視力が落ちて眼科を初めて受診した日が初診日であると考えがちです。
しかし、年金審査のルールでは、おおもとの原因となった病気(今回の事例では糖尿病)で初めて医師の診察を受けた日が初診日として扱われます。医学的に、合併症と糖尿病との間に相当因果関係があると認められるため、専門外来を初めて受診した日ではなく、糖尿病で初めて医療機関を受診した日が初診日になるのです。

初診日の特定がズレると何が起きる?

では、実際の初診日がズレてしまった場合、どのような問題が生じうるのでしょうか。

加入している年金制度が変わり、もらえる金額が変わる

自営業(国民年金加入)をしていたAさんは、健康診断で糖尿病を指摘され、近くのクリニックを数回だけ受診しました。しかし、当時は自覚症状がなかったため、その後は通院をやめてしまいました。

1年後、Aさんは会社員として就職し、厚生年金に加入します。 しばらく時が流れ、体調を崩して受診したところ糖尿病性腎症が悪化していることが判明し、人工透析による治療が開始されることになりました。

Aさんは、会社員(厚生年金加入中)になった後に人工透析を始めたのだから、障害厚生年金がもらえると考えていました。障害厚生年金は、障害基礎年金よりも支給される等級が幅広く(3級でも受給可能)、1級・2級であれば基礎年金に上乗せして支給されるため、将来の安心感が大きく異なります。

しかし、前述のとおり、糖尿病性腎症は糖尿病と因果関係があると認められるケースが多く、診断書を医師に依頼した段階で、実は初診日は人工透析を始めた日ではなく、健康診断の後に一度受診した日であった、ということがわかったのです。

このズレによって何が起きたか?
初診日の時点でAさんが加入していたのは国民年金であったため、Aさんは障害厚生年金を請求できず、障害基礎年金に限られます。

さらに恐ろしい「保険料未納」の落とし穴

今回の事例のように初診日が過去にさかのぼる場合、もう一つ深刻な問題が発生します。それが保険料納付要件です。

障害年金を受給するためには、初診日の前日時点で、過去に一定以上の保険料を納めている(または免除されている)必要があります。人工透析を始めた日を基準に「保険料はきちんと払っているから大丈夫」と思っていても、実際の初診日は国民年金に加入している期間にありますので、もしこの国民年金加入期間中に未納期間があることで保険料納付要件を満たすことができなかった場合には、今回の糖尿病及び合併症である糖尿病腎症での年金の受給資格を得ること自体ができなくなる恐れがあります。

他の病気やケガでも起きる「初診日の落とし穴」

ここまで糖尿病とその合併症を例に解説してきましたが、他の病気やケガにおいても、同じように初診日の特定や認定で思わぬ落とし穴に直面することがあります。

例えば、うつ病を発症した場合に、最初から精神症状を自覚して精神科や心療内科の受診にいたる方は少なく、眠れない、体がだるい、めまいがする、胃が痛い・・・等の身体面の不調から、最初は内科に受診する方が多くいらっしゃいます。このような場合、うつ病と身体面の不調(不眠やめまい、胃痛等)に因果関係があると医師が判断した場合は、内科を受診した日が初診日となり得るのです。

初診日の特定に迷ったら、プロにお任せください

今回の事例のように、どの症状とどの病気の間に医学的な因果関係(つながり)があるのかという判断は、障害年金の手続きにおいて最も複雑で、専門知識を要する部分です。

例えば、専門家の視点からこれまでの通院歴を詳しく精査すると、長期間にわたり治療が必要ない状態が続いていたことによる社会的治癒が認められ、実は初診日を昔まで遡る必要がないケース等、有利な選択肢が見つかることも多々あります。

ごきそ障害年金相談室では、ご相談者様の詳しいお話やこれまでの経緯を丁寧にお伺いし、専門家ならではの視点とノウハウで、安心して受給できるようサポートいたします。